【ネタバレ有】映画『忍びの国』感想・レビューとあらすじの解説!
今回は、7月1日(土)公開の映画『忍びの国』の基本情報や登場人物・キャスト、ストーリー、感想、映画をより楽しむための情報をお届けしたいと思います!
ついに公開されたため、公開日に早速観に行ってきました!
面白かったので、さっそく紹介していきます!
また、この記事にはネタバレとなる内容が含まれますのでご了承ください。
映画『忍びの国』の基本情報
『忍びの国』の最新予告映像です!
クリックすると動画がスタートします。
・原作 和田竜『忍びの国』(新潮文庫刊)
・脚本 和田竜
・監督 中村義洋
脚本は原作(小説版)を書いた和田竜(わだりょう)さんが担当しています。
原作者と映画の脚本家が異なると、解釈などの違いで映画の評価が下がることがあります。
でもその点は安心です!
監督の中村義洋(なかむらよしひろ)さんは『チーム・バチスタの栄光』『殿、利息でござる!』などの名作を手掛けています。
『忍びの国』は、大野智さんの『映画 怪物くん』以来の主演作品なのですが、『映画 怪物くん』も大野さんが主演を務めています。
中村監督は、大野さんの演技を高く評価しているのかもしれませんね!
主要な登場人物とそのキャスト
主な登場人物とそのキャスト、そして本人のコメントがある場合はそちらも併せて紹介します!
<伊賀の忍び軍>
無門(むもん)
大野智
伊賀で最強の忍です!
どれだけ強固な門でも簡単に突破してしまうことから「あの者の前に門は無し」と語られ、そのことから「無門」と呼ばれています。
しかし普段は怠け者で、妻の「お国」には尻に敷かれています(笑)
「怠け者」と「伊賀最強の忍」というギャップのある人物ということで、大野さんの演技にも注目ですね!
「大野智です。
この度、映画では初の時代劇「忍びの国」で主演させて頂くことになりました。
史上最強と呼ばれるほどの忍者の役なので、アクションや格闘のシーンがたくさん出てきますが、
久しぶりにご一緒する中村監督の描く世界観に応えられるよう、精一杯頑張りたいと思います!
今演じている社長役から、次は忍者役へ、役柄は全く違いますが、新しい自分を出せるようチャレンジしてみます!」
お国(おくに)
石原さとみ
無門の妻で、美人ながら気の強い女性です。
稼ぎの少ない無門に対していつも文句を言っています。
無門との笑いあり、涙ありのやり取りは要チェックです!
「忍者として一流の無門の心の真ん中にはどんな時も必ずお国がいます。
怠け者で不真面目な無門に対し、常に不安や苛立ちはありますが、叱って尻を叩いて舵を切っていくと同時に大きな愛情を注ぐ母のような女性だなと思いました。
初めて大野さんがセリフを発した瞬間、みんなが……無門だ!!と驚き鳥肌立ちました。
この作品は時代劇アクションであり、恋愛物語でもあります。
幅広い世代の方に楽しんでいただける作品になるよう最後まで丁寧に演じていきたいと思います。」
下山平兵衛(しもやま へいべえ)
鈴木亮平
無門に勝るとも劣らない忍びで、他の忍たちと違って優しい心を持っています!
しかし戦で弟が死んだ際、父親や他の伊賀の忍が無関心だったことから忍に失望し、織田信雄に伊賀を攻めるよう進言します。
「「こんな忍者もの、読んだことない!」これが原作の第一印象でした。
「人間ではない」忍びの世界で人間の心を持ってしまった平兵衛の悲哀を、大野さん演じる無門と好対照になれるよう、情熱的に演じきりたいと思っています。
アクションシーンも他にはない独特の動きなので、この2カ月間コツコツと稽古を重ねてきました。
誰も観たことのない、楽しく強烈な「忍び映画」が出来上がる予感がしています。期待していてください。」
下山治郎兵衛(しもやま じろべえ)
満島真之介
下山平兵衛の弟で、治郎兵衛の死が原因で平兵衛は忍に失望します。
最終的に織田軍が伊賀を攻めるきっかけにもなったので、ある意味重要人物と言えます。
百地三太夫(ももぢ さんだゆう)
立川談春
百地家の当主で、伊賀を治める「十二家評定衆」の1人です。
「「忍びの国」に出演できて光栄です。
百地三太夫は見た目悪いやつなので、大野智ファンに嫌われるような立派な三太夫になりたいと思います(笑)。」
下山甲斐(しもやま かい)
でんでん
下山平兵衛・治郎兵衛の父親で、十二家評定衆の1人です。
音羽半六(おとわ はんろく)
きたろう
十二家評定衆の1人で、他の伊賀の忍同様薄情な性格です。
<伊勢織田軍>
日置大膳(へき だいぜん)
伊勢谷友介
怪力を持つ弓の名手で、織田信雄の家臣です。
戦いぶりはもちろん、味方の士気の上げ方や普段のしゃべり方に至るまで、すべてが最高にかっこよかったです!
「この作品はよくある勧善懲悪の時代物ではなく、現代にも通じる設定が面白い。
大膳は登場する武士の中でも非常にアヴァンギャルド。
演じるのが非常に楽しみです。
甲冑を付けて弓や槍を振り回す大立ち回りのシーンもあるのでしっかり演じたい。」
長野左京亮(ながの さきょうのすけ)
マキタスポーツ
織田信雄の家臣ながら、いつ裏切ってもいいと思っています。
日置大膳とは親友関係にあります。
なんというか、ある意味で非常に人間らしい人物だと思います(笑)
「左京亮は中途半端な男です。
武者としての誇りや自負はあっても、どこか揺れている。
大膳に対してもコンプレックスがありそう。
元の上司を討ち、自らのポジションを得ることに大義を感じようとしているところも、どこか虫がいい。
つくづくちっちゃい男です。
でも、そのちっちゃい男感がいいなと。
僕はこの役をやるにあたって体重を10kg近く落とし、筋トレをしました。
案外情けない左京亮ではありますが、武士ですからちゃんと“強そうに”見えなくてはならない。
しかし、僕の考える左京亮は、中身は「情けない現代人」です。
で、僕の中にも左京亮がいます。
その左京亮ぶりが溢れ出れば、外見と合わせて立体的なキャラクターになるんじゃないかなと考えました。」
織田信雄(おだ のぶかつ)
知念侑李
織田信長の次男です。
高圧的で神経質な性格を持つものの、父の信長が偉大なため苦しんでいます。
父に認められるためになんとか戦果をあげようと、独断で伊賀を攻めます。
(二世タレントは楽してテレビ出てる!)
という声が最近多いですが、親が偉大すぎるというのも考え物かもしれませんね;
「主演が大野くんということで、個人的に念願叶っての共演でしたので、出演が決まったときは本当に嬉しかったです。
今作は忍者VS侍のお話で、きっと僕を知ってくださっている方はイメージとして侍役で出演するのではないかと想像されると思いますが、今回の役は大野くんと敵対する「殿様」の役です。
今までの僕のイメージとは違う新しいキャラクターだと思います。
大野くんとずっと一緒に共演したいと思っての、やっとの共演です。
新しい自分を楽しみつつ、悔いが残らないよう撮影に臨みたいなと思います。」
北畠具教(きたばたけ とものり)
國村隼
織田信雄に乗っ取られた「北畠家」の当主です。
「初めて脚本を読んだとき、不思議な世界観を持った作品だなと思った。
ある意味、主人公無門のキャラクターがすべてを体現している。
それは私にとって好きな世界。
しかも、監督は中村さんでプロデューサーは下田さん。
はい、やります(笑)。
殺陣はなかなか大変だったけど、楽しんで撮影できました。」
北畠凛(きたばたけ りん)
平祐奈
政略結婚に利用され、織田信雄と愛なき結婚をします。
最後には自害してしまいます。
「今回、忍びの国への出演のお話をいただき思ったことは、私の好きな時代劇ではじめてのお姫様役ということと、中村義洋監督の作品に参加できるということがとってもうれしかったです。
また豪華なキャストの皆様と共演ができ、貴重な経験をさせていただきました。
公開までがとても待ち遠しいです。
皆様、ぜひ楽しみにしていてください。」
映画のストーリー
映画「忍びの国」は、伊賀の国の「百地家」と「下山家」の小競り合いから始まります。
かぎづめやワイヤーを使って砦を攻めようとする百地家の忍に対し、下山家の忍は土の中に潜んでいてそれを妨害したり…
いきなり忍らしい戦法の応酬!
その戦いの中で、無門は下山治郎兵衛に「川」と呼ばれる一騎打ちを挑みます。
圧倒的な力の差で勝利した無門は、金のために治郎兵衛を殺してしまいます。
それを間近で見ていた兄の下山平兵衛は、激しく怒り、悲しみます。
しかし周囲の忍たちは治郎兵衛の全く気にかけず、父の下山甲斐ですら無関心。
平兵衛は伊賀の国に絶望し、こんな国は存在してはいけないと思うようになります。
あるとき、伊賀を治める十二家評定衆は、織田信長の息子である織田信雄に和睦のための使者を出します。
その使者の1人に選ばれた平兵衛は、他の使者を皆殺しにし、織田信雄に伊賀の国を滅ぼすように進言します。
普段から信長にいいところを見せたいと思っていた信雄は、伊賀攻めを決心します!
さあ、困ったのは伊賀の忍たちです。
織田軍は1万人ほどに対し、伊賀軍は3千人ほど。
まともに戦っては勝ち目がありません。
しかも防衛戦ということで、命懸けで勝ったところで報酬はもらえません。
無門もお金がもらえない戦いはしたくなかったので、信雄が攻めてこないようにするための方法を考えました。
その夜、無門は信雄の寝床に忍び込みます。
無門は命を取らないでやるから伊賀を攻めるなと信雄を脅します。
しかし信雄は、伊賀の者は女子どもも皆殺しにしてやると怒ります。
愛するお国を殺すと言われた無門は激怒し、戦までは首を預けておいてやると言い残して退散します。
その道中、城内に囚われていた北畠凛と侍女に会います。
凛は信雄の妻なのですが、政略結婚という形で愛はなかった上、父を殺されたために信雄を恨んでいました。
凛は無門に、信雄を殺してくれることを条件として「小茄子」を託します。
これは北畠家に伝わる茶入れで、1万貫の価値があると言われています。
ようやく父の仇をとれると思った凛は、侍女と共に自ら命を絶ってしまいます。
伊賀に戻った無門でしたが、小茄子を持って京に逃げようとお国に提案します。
彼も他の伊賀の忍と同じく人の心を持たないので、伊賀がどうなろうと知ったことではないですし、北畠凛との約束を守る気もありませんでした。
お国も了承し、一緒に京へ逃げることにしました。
京への道には多くの忍がいました。
みな、金にならない戦いをしたくないということで逃げてきたのです。
最初は逃げることに納得していたお国でしたが、伊賀には多くの子どもたちが取り残されていることに気づきます。
そこでお国は、無門に戦いに行くよう言い、小茄子を手渡します。
お国の意図をくみ取った無門は、
「雑兵首に10文、兜首には10貫、信雄の首には5,000貫出す!」
という旨のことを逃げている忍たちに伝えます。
お金のことになると目がない忍たちは、我先にと戦場へ向かいます。
多くの忍が逃げていたことで苦戦を強いられていた伊賀軍でしたが、みなが戻ってきたこととお金目当てで士気が上がり、一気に形勢逆転!
織田軍を次々をなぎ倒していきます。
無門はというと誰にも5,000貫を渡したくないため、とにかく信雄を探します。
不利になった戦場から逃げてきた信雄を無門が殺そうとしますが、ギリギリのところで日置大膳が駆け付けます。
激しい戦いの末、とどめこそ刺せなかったものの、信雄と大膳は無門を退けます。
しかし織田軍は敗北を悟り、なんとか砦へ逃げ帰ります。
その夜、砦に無門を含む伊賀の忍が侵入します。
信雄を狙う無門でしたが、そこへ弟を無門に殺された下山平兵衛が立ちはだかり、「川」を挑みます!
平兵衛は、自分が負けて死ぬことになっても他の者には手を出さないよう無門に言い、決死の覚悟で戦います。
互角の戦いを繰り広げる2人でしたが、辛くも勝利したのは無門でした。
この時に無門は、平兵衛からこの戦争が仕組まれたものだと聞かされます。
実は織田信雄が伊賀の国を攻めるように仕向けたのは、伊賀を治める十二家評定衆だったのです!
織田家に勝ったとなれば忍の需要は高まり、自分たちが儲かると計算したのでした。
そのためにわざと治郎兵衛を殺し、平兵衛が裏切るように誘導していたのでした。
十二家評定に利用され弟を失い、自らの命も落とした平兵衛を見て、無門は「かわいそうなやつじゃ」とつぶやきます。
平兵衛の人間らしい生き様を見て、無門は人としての心を得たのです。
無門は日置大膳に、平兵衛を弔ってやるよう頼んだのち、その場を去ります。
それまで人の心を持っていなかったため、凛との約束は最初から守る気がありませんでしたが、平兵衛との約束を守り、他の者に手を出さないことにしたのでした。
無門らが伊賀の国に戻ると、勝利の宴の最中でした。
すべてが十二家評定の策略によるものだと知った無門は怒り、十二家評定の1人を殺してしまいます。
十二家評定の1人、百地三太夫が無門を殺した者には褒美をとらせると言った途端、忍全員が無門の敵になりました。
無門を守ろうとしたお国は、無門に手を出したら小茄子を壊すと言って現れます。
しかし小茄子を狙う忍たちに毒の吹き矢で撃たれます。
なんとかお国を守ろうとする無門でしたが、あと一歩届かず、お国は倒れてしまいます。
自らの死を悟ったお国は、無門に本当の名前を教えてと告げます。
しかし無門は、子どもの頃に他の国から買われてきたため、名前を知らないと答えます。
お国は「かわいそうな人…」と無門に言い残し、息を引き取ります。
無門は深く悲しみ、金のために平気で人を殺す伊賀の忍たちに絶望します。
今まで当たり前のように伊賀の忍として過ごしていた自分の愚かさに気づき、その場で小茄子を叩き割ってしまいます。
動揺する忍たちに対して「お前たちは人間ではない」と吐き捨て、お国の体を抱いてどこかへ去っていきます。
結末・ラスト
伊賀の勝利に終わった戦いから2年後。
今度は織田信長自ら4万4,000の軍を連れ、伊賀の国を滅ぼします。
様子を見ていた日置大膳とその親友の長野左京亮が語らいます。
左京亮はこれで伊賀の国は終わったと言いますが、大膳はそうではないと答えます。
人を人と思わない強欲な人間は決して滅びず、いつの時代になってもはびこり続けると言うのです。
そこで伊賀の忍たちの姿と我々現代人の姿が重なります。
大膳は、伊賀の国のどこを探してもいなかったと言われる無門の行方を気にします。
その時、ふと無門の声が聞こえて辺りを探しますが、多くの雑兵以外だれも見当たりません。
無門は、織田軍の雑兵に扮したまま伊賀と戦っていたのでした。
伊賀の国が滅ぶのを見届けた無門は、以前にお国と会った、買われてきた子どもを1人連れて、どこへとも知れず歩いていくのでした。
感想・まとめ
公開日の7月1日に観に行ったのですが、観客の多くは40~50代ぐらいの人でした。
映画というと若いカップルのイメージが強かったのですが、ほとんど見かけませんでした。
原作が小説ということで、大人の方からの関心の方が大きいのかもしれませんね。
この映画の見どころの1つは、激しいアクションシーンです。
特に終盤の、無門と下山平兵衛の決闘シーンは迫力満点です。
もう1つの見どころは、魅力的な登場人物たちとそれを表現する演技です。
基本的にへらへらしている無門ですが、人としての心を得てからは様々な感情が見られるようになります。
知念侑李さんが演じる織田信雄の、情けなさ全開の演技も見ものです。
石原さとみさん演じるお国と平祐奈さん演じる北畠凛に美人っぷりはすごいです(笑)
透明感が半端じゃないです…
ですが個人的には、日置大膳の「漢」らしさが最高でした!!!
信雄に喝を入れるシーンや、雑兵を寄せ付けない戦いぶり、そして大けがをしても主君を守るため無門の前に立ちはだかる忠誠心など、本当にかっこよかったです!
声もすごくいい!
この映画は面白い物語ではあるのですが、それだけではありません。
伊賀の忍と現代の人たちを重ね合わせているシーンがありますが、いまの人たちは人の心を忘れてしまっているのではという風刺のように感じます。
このままだと伊賀のように滅びてしまうかもしれない、という忠告なのかもしれませんね。
特別な知識が必要なことや難しい表現があるわけではないので、若い人たちにもオススメできます!
ただし人が死ぬ描写がありますが、話が重くなりすぎないようにところどころコミカルでギャグのような表現があります。
そういうのが苦手な方にはオススメできません。
『忍びの国』をより楽しむための情報
嵐が歌う『つなぐ』のシングルCDが、初回限定盤・通常盤ともに6月28日に発売されました!
予告映像を見ると、アクションシーンにかなり力を入れていることが分かりますね!
映画『忍びの国』の原作の小説を、映画公開前もしくは公開後に読んでみるとより楽しめると思います!
映画と小説の差を探すのも面白いかもしれません。
また、こちらのサイトからコミック版の1話を読むことができます。
ただし出血など、残酷な表現があるのでご注意ください。
最後に
物語として、そして社会風刺を盛り込んだ作品として、とても面白かったと思います。
小説版もよかったですが、俳優陣の迫力ある演技を、ぜひ劇場で楽しんでもらいたいです!